可愛い猫たちにも癒される隠れ家食堂 宇部市「猫神食堂」
- グルメ
宇部市小野の、のどかな田園風景の中に、ひときわ目を引く赤い屋根のお店があります。今回ご紹介するのは、2年前にオープンした「猫神食堂」(山口県宇部市小野8035-1)。
店名に「猫神」とある通り、こちらのお店では、愛らしい看板猫たちが訪れる人々を温かく出迎えてくれます。
お店の敷地に入ると、早速カメラ目線をくれる人懐っこい猫ちゃんたちがお出迎え。店内にも猫の写真やグッズが所狭しと並び、猫好きにはたまらない空間が広がっています。
店主のみゆさん曰く、お店の名前は「絶対食堂にしたかった」と「猫が好きだから」というシンプルな理由で名付けられたそう。その名の通り、お客さんを招き入れる招き猫のように、温かい雰囲気で溢れています。
悶絶必至!口の中でとろける絶品「牛すじ煮込み定食」
- 牛すじ煮込み定食 1,000円
猫神食堂の看板メニューは、何と言っても「牛すじ煮込み定食」です。じっくり2時間以上煮込まれた牛すじは、運ばれてきた瞬間から香ばしい香りが食欲をそそります。箸で持ち上げると、もうプルンプルンと震えるほどの柔らかさ!一口食べると、その柔らかさに驚愕します。プルンプルンを通り越して「ドゥルンドゥルン」という表現がぴったりです。
味付けは、誰もが大好きな甘辛い醤油ベース。この絶妙な甘辛さが、ごはんとの相性抜群です。小野産のお米を使用しているというごはんが、あっという間になくなってしまいます。
店主のみゆさんにお話を伺うと、牛すじはブロック肉を小さくカットし、圧力鍋で1時間ほど煮込むことで、このとろとろの状態を作り出しているとのこと。
その後、醤油などで味付けをし、さらに1~2時間煮込むことで、味がしっかりと染み込んだ、とろけるような牛すじ煮込みが完成するそうです。
この牛すじ煮込みには、味がしっかり染み込んだ煮卵も添えられています。濃いめの味付けの牛すじの旨みが卵にもしっかり移っていて、食べ応えも抜群。ごはんが進むのはもちろん、これはお酒にも合いそうな逸品。山口県では牛すじをよく食べると聞いたみゆさんが、お客さんに喜んでもらいたいと始めたメニューだそうですが、まさにその想いが詰まった、心温まる一皿です。
韓国チキンを再現!秘伝スパイスが香る「猫神からあげ」
- 猫神からあげ 700円
看板メニューの牛すじ煮込みに加えて、もう一つおすすめしたいのが「猫神からあげ」です。一般的な日本の唐揚げとは一線を画す、オリジナリティ溢れる一品です。
こちらの唐揚げは、鶏肉に下味をつけず、小麦粉と片栗粉をまぶしてカラッと揚げていきます。そして、揚げたて熱々の唐揚げを、秘伝のタレにくぐらせて仕上げるんです。
このタレには、醤油ベースに10種類ものスパイスが配合されているとのこと。企業秘密だというそのスパイスの種類が、一体どんな魔法をかけるのか、食べる前からワクワクが止まりません。
熱々でツヤツヤの唐揚げを一口頬張ると、まず感じるのはそのザクザクとした食感!そして、ピリッとしたスパイシーさと、ほのかな甘さ、さらにゴマの風味が口いっぱいに広がります。辛い方のスパイシーさではなく、まるで海外の料理のような、異国情緒あふれる香辛料の豊かな香りが特徴的です。
みゆさんの旦那様が韓国の方ということもあり、韓国のチキンを再現したいという想いから生まれたこの唐揚げ。そこにたくさんのスパイスを加えることで、この味が生まれたそうです。このタレが鶏肉の旨みを最大限に引き出し、まさに「鶏も本領発揮!」と言いたくなるほどの美味しさです。ザクザクとした食感もクセになり、手が止まらなくなること間違いなしです。
居心地の良い空間で心ゆくまで味わう至福の時間
「猫神食堂」では、牛すじ煮込み定食には韓国のおでんや、みゆさんの義理のお母さん手作りの玉ねぎの漬物なども添えられており、本場韓国の味も楽しめます。牛すじを丁寧に下処理し、余分な脂を取り除いてから煮込むというこだわりが、あのとろける食感を生み出しているのだと、納得しました。猫神からあげのザクザク食感も、そのこだわりから生まれているんですね。
お店には7匹の看板猫がいるそうですが、気ままな猫たちなので、出会えるかどうかはタイミング次第。しかし、店内にはお客さんが飼っている猫の写真なども飾られており、猫たちに見守られているような温かい雰囲気の中で食事ができます。
みゆさんは「建てて本当に良かった。少しでも地域を賑やかにできたかな、貢献できたかな」と語っていらっしゃいました。お客さんには「食べて帰るだけじゃなく、食べて話して帰ってもらいたい」という温かい思いが込められた、まさに「食と会話を楽しむ」場所です。
★今回の内容は、2025年7月1日、yab山口朝日放送『You!どきっ』のコーナーを記事化したものです。