防府で極上フレンチ洋食を! 防府市「ニューロンドン・パリ3区」
- グルメ
防府市役所のほど近くに、長きにわたり地元の人々に愛され続けている一軒の洋食店があります。その名は、「ニューロンドン・パリ3区」。
その歴史は古く、さかのぼること1931年。アイスキャンディーなどを売る「ロンドン屋」としてオープンしました。
現在の「ニューロンドン・パリ3区」という名前に変えたのは、お店の味と歴史を今に繋ぐ3代目のご主人、長廣恒(ながひろ・ひさし)さん。
なぜイギリスの「ロンドン」にフランスの「パリ3区」が加わったのか。その理由を尋ねると、「ちょっとフレンチ出身で通りましたからアクセントをつけようと思いまして。あと、3代目と『サンキュー(感謝)』を掛け合わせて、3区です」と、ユーモアのある答えが返ってきました。
衝撃の「飲めるハンバーグ」!エッフェル塔を思わせる三段重ね
・ハンバーグセット ランチ価格1500円(トッピング やわらか特製ハンバーグ+880円)
このユーモアあふれる長廣さんのイチ押しが、ハンバーグセットです。なんと、ハンバーグにハンバーグをトッピングできるという、肉好きには夢のような構成が可能なんです。
お店のハンバーグのこだわりは、まず国産牛と豚の合い挽き肉を使用している点。そして、一般的なハンバーグには欠かせないナツメグを使わず、その代わりに「企業秘密の隠し味」をたっぷり入れることで独自の風味を確立しています。さらに特徴的なのが、二度挽き。一度挽いた肉をさらに挽くことで、究極の「柔らかさ」にこだわっているそうです。昔ながらの作り方を大切にしながら、隠し味には長廣さんのアレンジが加わるという、進化し続ける老舗の味です。
このハンバーグにさらにハンバーグをトッピングし、マッシュポテトや付け合わせの唐揚げまでが添えられた、ダイナミックな三段重ね!
そして仕上げは、1週間煮込んだという、濃厚で香り高いデミグラスソースがドバドバドバっとたっぷりとかけられます。いい音を立ててソースが吸い込まれていく光景は、見た目にも新しく「最高!」の一言。
ナイフを入れると、その柔らかさに驚き、プルンプルンと震えるほど。持ち上げるのも慎重になるほどの柔らかさです。ご主人が「飲めるハンバーグとも言われます」とおっしゃる通り、ふわっとした食感の後、次の瞬間には口の中で形をなくし、とろけて溶けていくような極上の口どけなんです。
ちなみに、デミグラスソースのほかに、さっぱりと食べたい方には和風ジャポネソースも選べるそうです。
心が優雅になる!贅沢な月替わり「パリランチ」コース
続いては、フレンチの経験を活かして始めた月替わりのコース料理「パリランチ」。お魚とお肉の両方が付いてくる人気の贅沢メニューです。
・パリランチ 2530円(スープ・前菜・パン・お魚・お肉・ミニデザート・ドリンク)
9月の魚料理は、日本近海では珍しいメルルーサという白身魚のムニエル。
秋の色味が添えられたソースは、海の幸の出汁が効いたトマトクリームソースです。メルルーサは、淡泊かと思いきや、甘みの強いお魚。そこに、海老などの魚介の旨味が凝縮されたソースが加わり、「100点を叩き出す」ような深い味わいです。
そして肉料理は、美しいロゼ色の秋吉台高原牛の赤身を使ったローストビーフ。赤ワインを使ったポルトソースがかけられています。このお肉とソースの組み合わせも秀逸。さっぱりとしているのにコクがあるソースが、赤身肉と最高の相性を見せます。ある程度の歯ごたえを残しつつ、くどくない後味は、秋吉台高原牛の実力を存分に見せつけられる一皿でした。
この「パリランチ」は、料理で旅をしながら季節感を感じ、自分に良いことをしている気分になれる、心が優雅になる贅沢な時間を過ごさせてくれます。
100年レストランへの想い
「20代、30代はブライダル関係の仕事をしていた」という長廣さんは、料理の彩りや盛り付けにもこだわり、お客様が想像した以上のものを味わい、見た目も楽しんでもらいたいと話します。
そして、お客様が驚いたり、楽しそうな顔を見ると、心の中でガッツポーズをし、それがまた新たなアイデアを生み出す源になっているそうです。ハンバーグセットに、エビフライや豚ヒレカツなど豊富なトッピングがあるのも、お客様を楽しませたい一心から。料理で「ドキッ!」としてもらえるようにという言葉には、番組のタイトル「You!どきっ」をかけてくれるユーモアも。
「あと6年すると100年という、100年レストランというのがまずは目標」という長廣さん。先代から受け継いだ懐かしい味と、年を重ねるごとに進化し続ける三代目の味、そしてユーモアと感謝が詰まった空間を、ぜひご堪能ください。
★今回の記事は2025年9月9日放送、yab山口朝日放送『You!どきっ』のコーナーを記事化したものです。