昔懐かしい山村風景のなかで田舎体験! 山口市「重源の郷」
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自然豊かな昔の山村風景を再現し、紙すきや木工体験などの伝統文化にも触れることができる体験交流公園「重源の郷」。約2年間の休園を経て、今年4月にリニューアルオープンしました!昔ばなしの風景に入り込んだような田舎体験ができる「重源の郷」の魅力をご紹介します!
四季の移ろいを体感できる遊歩道「杣入りの道」
「重源の郷」(山口県山口市徳地深谷1137)は、山口市中心部から車で約45分、中国自動車道徳地ICからは約15分の山間にあります。
到着して出迎えてくれるのは、駐車場の目の前にある「歓迎館」です。
館内では、徳地地域のお土産物なども販売しています。
重源の郷オリジナルのキャラクターのグッズも販売していました!
こちらで入郷料を支払うともらえる入郷券は、なんと「ドリンク引換券」にもなっています!
歓迎館、または、お食事処「庄屋」でドリンクと引き換えることができるので、紛失しないようにご注意くださいね。
入郷の前に、「重源の郷」の由来を簡単にご紹介します。

重源上人は、鎌倉時代、源平の争いで消失した東大寺の再建に尽力した僧侶で、徳地の山々から良質な木材を調達し、伐採や運搬を指揮しました。徳地の人たちはその再建事業に貢献し、重源上人は作業者のための石風呂を設けたり寺院を建立したりするなど、その功績は今も受け継がれています。徳地とは深いゆかりのある人物なんです。
それでは、いよいよ入郷口へ!遊歩道「杣(そま)入りの道」へと入っていきます。
「杣入り」とは、「木を伐採するために山に入ること」を意味するのだそう。人力で木を伐り出し運搬した重源上人をはじめとする古の人たちに思いを馳せつつ、ここからは、自然豊かな山の中へと入っていきます。
川沿いに登っていく歩道は整備されているので、とても歩きやすい!川の水が流れる音や虫や鳥の鳴き声など、大自然のBGMを聞きながら散策できます。
四季折々の花を楽しむこともでき、この時期は、紫陽花が出迎えてくれます。
写真は6月12日に撮影したものです。今年はやや遅めで、まだ咲き初めでした。6月下旬には、約80種類5,000株以上の紫陽花が見頃を迎えそうです!
春は桜、秋には彼岸花や紅葉が楽しめるそう。一年を通して美しい自然美を見せてくれるので、四季折々の美しい景色を眺めながら散策できます。
途中には、水車小屋もあります。
初めて見る水車に息子も興味津々!「どんな風に動いているんだろう?」とじーっと眺めていました。
自然豊かな杣入りの道を歩くこと約20分。茅葺き屋根が点在する施設へと到着します。
ちなみに、歓迎館前から茅葺き屋根の古民家までの間は、無料で利用できるバスも運行しています。
30~40分ごとに往復しているので、行きはバスを利用し、帰り道は下りながら散策するなど、小さいお子さん連れや年配の方も体力に合わせて安心して散策を楽しんでくださいね。
これぞ日本の原風景!昔ばなしのような世界観を楽しもう
重源の郷には、茅葺き屋根の古民家が建ち並びます。その様子は、まるで昔ばなしに登場する世界観そのものです!
今回のリニューアルで新たに設置されたのが、こちら。
展望台です!らせん状の階段を登ると・・・
奥深い山々の谷間に茅葺き屋根が並ぶ景観!これを「日本の原風景」と呼ぶのかなと思うような美しい景色を眺めることができます。しばらくボーっと眺めたくなるような、そんなのどかな景色でした。
また、展望台の下には「親水広場」も設置されました。
山から流れてくる水はとっても冷たい!階段状に関のようになっているので、これからの季節は、手足を少しつけるだけでもひんやりとして気持ちよさそうです。
家族で楽しめる体験も充実!
茅葺き屋根の古民家は3棟あり、そのうち2棟は体験施設となっています。
こちらの「匠」では、木工体験ができます。
息子は、竹の水鉄砲づくり(体験料¥500)を体験しました。
先生は、地元・徳地のおじいちゃん。難しくて細かい作業などは先生がしてくれますが、年長の息子でもできそうなところはお手伝いいただきながら一緒に作業してもらえます。その姿は、まるでおじいちゃんと孫のよう(笑)。息子も初めての木工体験に夢中でした。
完成したら、さっそく試し打ち!
水を吸い込む際に上手く棒が引けず難しかったようですが、先生から棒を引くときのコツも教えてもらい、だんだんと勢いよく水が飛ぶようになり、息子も初めての体験に大満足のようでした。
この他にも、竹とんぼや風車づくり、木製のキットで恐竜や昆虫を組み立てる体験もできます。
また、建物内には、木や竹のおもちゃもたくさんあり、自由に遊ぶことができます。
息子は、6連発仕掛けの木の鉄砲がお気に入りで、射的を楽しんでいました。
木のおもちゃは製作体験もできますが、購入できるものもあります。現在、先生の体調が優れないため、基本的に土日のみの受付となっていますが、夏休みには平日にも体験できるようにしたいとのことでした。夏休みの工作づくりにもオススメです。
そして、徳地といえば、「徳地和紙」も有名ですよね。こちらの「白波」では、紙漉き体験などができます。
施設内には、徳地和紙で作られた色鮮やかな作品が並びます。この徳地和紙も、重源上人によって伝えられたものなんだそう。和紙ならではの柔らかく素朴な風合いを観て触れることができ、伝統工芸を身近に感じることができます。
こちらでは「折り染め体験」(体験料 ¥500)をしました。
徳地で和紙づくりをされている方が先生として優しく丁寧に教えてくれます。折り重ねた和紙を好きな染料につけていくので、折り紙や色遊びのような感じで幼稚園児でも簡単に楽しむことができました。
出来上がった作品がこちら。
自分の思うままに染料をつけていく息子を傍から見ていると、色の組み合わせや浸し具合などに勝手に不安を感じていましたが、広げてみると想像以上に良い感じの素敵な仕上がりに!二度と同じ模様や色味は出ないかもしれないとおもうと、世界に一つだけの作品が出来上がり、良い経験ができました。
折り染め体験の他にも、紙漉きはもちろん、和紙を使用したランプづくりなどもできます。色鮮やかで優しい風合いの和紙の世界を体感してみてください!
この他にも、そば打ち体験茶屋もあり、自分でそば打つこともできます。
体験料は、1人2,000円で2人前分のそばを打つことができます。打ったそばは持ち帰りとなりますので、ご自宅でその味をゆっくりお楽しみくださいね。
木工や紙漉き、そば打ちなどの体験は、当日でも空きがあれば可能ですが、土日などは事前予約がオススメです。老若男女問わず楽しめる体験が盛りだくさんです。ぜひ、徳地の伝統工芸やの魅力に触れてみてくださいね。
ここでしか味わえないグルメも満喫!
重源の郷では、四季折々の自然美や伝統工芸などの体験だけでなく、新たにリニューアルした食事処「庄屋」で美味しいグルメも楽しむことができます。それがこちら!
- もり蕎麦とろろ 1,200円
おしゃれな器に盛られたそばは食べてみてビックリ!キリッと冷えたそばは角が立ったコシのある麺で、私にとっては新食感でした!
のど越しも良く、ツルツルッと入ってきて美味しい!おそばの「角が立つ」ってこういうそばのことを言うのかと、なんだか通の気分までも味わえました!
そして、そばと一緒にぜひ食べていただきたいのがこちら。
おそばに添えられている「自然薯」です。
有機JAS認定の無農薬で栽培されたもので、皮ごと擦りおろしてもアクが少ないため、とろろが真っ白!粘り気も強く、甘みや香りもしっかり楽しめます。しかも、この自然薯は、徳地で栽培されているいるですが、主に都市圏の料亭や高級旅館などに卸しているため、地元・徳地で味わえるのは貴重なんだそう。ぜひ、徳地の大自然が育んだこだわりの自然薯も味わってみてくださいね。
メニューには、この他にも温かいおそばやうどん、鶏めしなどもあります。
ランチタイム後の午後3時以降は、スイーツも楽しめます。
- バウムクーヘン 生クリームセット 950円(入郷券をお持ちの方は 600円)
バウムクーヘンは、チョコレートとミルクの2種類を選ぶことができます。歓迎館で購入した入郷券をお持ちの方は600円で味わうことができるので、入郷券を忘れずにご提示くださいね。
食事処「庄屋」の店内は広々としていて、庭園が楽しめるカウンターやソファ席、テーブル席にお座敷もあるので、幅広い世代の方たちがゆっくり利用できます。ぜひ、重源の郷の景色を楽しみながら美味しい食事を味わってくださいね。
日本の原風景の中で、非日常の体験を
徳地の大自然の中に佇む、まさに日本の原風景を体感することができる「重源の郷」。
今後は、地元の人たちと一緒に風鈴まつりやそうめん流しなどのイベントも企画していくとのこと。徳地の魅力を発信する地としても、ますますの盛り上がりを魅せてくれそうです。
日々の喧騒から離れて、のんびりと穏やかな時間を過ごすことができる魅力的な施設へとリニューアルした重源の郷。ぜひ、ご家族やご友人とお出かけください!