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稲穂の名に込めたやさしい旨み。季節の恵みを味わう和食処 下松市「禾 (のぎ)」

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下松駅北口から徒歩3分。人通りの多いエリアでありながらも、どこか空気が落ち着いた場所にある、和食処「禾 nogi(のぎ)」。

扉を開けると派手な演出はありません。その代わりにあるのは、料理をゆっくり味わうための空間と過度に干渉しない心地よい距離感のおもてなし。初めて訪れても不思議と長居したくなる、そんな雰囲気が漂っています。

 

「禾」に込めた想い

「禾(のぎ)」という漢字は、稲穂を意味します。和食や日本酒に欠かせない存在であり、日本の食文化の土台ともいえる稲をイメージして店名にしたそうです。
店名の由来を聞いてからいただく料理は、味を重ねるというより、素材の旨みを丁寧に引き出したようなやさしい味わいに感じられました。

「下松といえば禾、と言われるような存在になれたら」

店長さんの言葉には、派手な野心よりも、静かな覚悟が感じられました。

 

四季を味わう、ランチコース

この日いただいたのは、季節の食材を中心に構成されたランチコース。 (3,300円)

「ランチはお得感を大切にしています」という店長さんの言葉通り、前菜から品数が多く、内容も充実しています。

前菜は、あん肝、さよりの塩焼き、小ナス田楽、合鴨ロース、プリンセストマトの土佐酢ジュレ和えの豪勢なアラカルト。
あん肝は、クセや臭みがなく、驚くほどなめらか。濃厚でありながら重さはなく、口の中で旨みだけがすっと広がります。

さよりは、三つ編みのように丁寧に仕立てられ、見た目からも手仕事の跡が伝わります。淡白な味わいながら、前菜全体の中で自然に溶け込み、確かな存在感を放っています。

小ナス田楽は、味噌のコクとナスのやさしい甘さがバランスよく、合鴨ロースは包丁の入れ方が美しく、歯切れが良いのが印象的です。噛むほどに旨みが増し、思わずお酒を合わせたくなります。

プリンセストマトの土佐酢ジュレ和えは、個人的にも印象に残った一品でした。出汁の旨みを含んだジュレの爽やかな酸味が、トマトの濃厚な甘みを引き立てています。

お造りは、クロマグロの幼魚である「ヨコワ」を使用。赤身と脂のバランスが良く、素材の良さがストレートに伝わります。

蒸し物は、あおさのりと海鮮の茶碗蒸し。
あおさの香りに、エビ、甘鯛、銀杏、小餅と具材も豊富で、食感も楽しい茶碗蒸しです。ふわふわの生地が、それぞれの素材の旨みをやさしく包み込み「もっともっと」と感じる一品でした。

天ぷらは、あかはぜ、甘唐辛子のエビ餡入り、つぼみなの3種。
甘唐辛子のほろ苦さに、大根おろしと出汁の旨み、さらにエビ入りのすり身が重なり、さくさく・ふわふわ・じゅわっと、食感の変化も楽しい一皿です。
つぼみなの苦味がアクセントとなり、あかはぜのやさしい旨みを引き立てていました。

汁物は、魚のつみれ汁。柚子皮の香りがふわりと立ち、身体の内側から温まるようなやさしい味わいです。
そんな汁物と一緒に味わうのは、タコ飯です。粒立ちの良いお米に、出汁とタコの旨みがしっかりと染み込み、満足感のある一杯でした。
白菜のお漬物で口の中を整えつつ、こだわりの器と一緒に楽しめます。

デザートは、3種のチーズと柚子を使ったチーズケーキとマンゴーシャーベット。柚子のほろ苦さがチーズのコクを引き立て、和食の締めくくりを楽しませてくれます。
温かいお茶とともに、食後まで心地よい余韻が続くひと時でした。

 

素材と向き合う、こだわりの和食

「季節の魚や野菜を、素材の味を活かして調理しています。お客様にも、そんな味わいを楽しんで欲しいですね」
そう語る通り、「禾」の料理は、味を足すよりも、引くことを大切にした和食。看板料理はあえて設けず、「すべての料理に全力」という姿勢で向き合っています。

料理だけでなく、器や盛り付けもこだわりぬかれており、五感で楽しめる贅沢な時間を過ごすことが出来ました。

「旬の食材を使った和食を、落ち着いた空間で楽しみたい」
「ランチでいつもより贅沢な時間を過ごしたい」
「夜はお酒と一緒に、料理をゆっくり味わいたい」

和食処「禾 nogi」は、そんな方にそっとすすめたくなる一軒です。
「いずれは、よりゆとりのある空間で、個室も備えたお店に」
そう語る店長さんの視線は、すでに次の実りを見据えているようでした。

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