「ラーメンより焼き飯が主役?」噂の真相を食べて確かめる 下関市「まる龍」
- グルメ
下関市豊前田町。飲食店が立ち並ぶこのエリアに、「ラーメンより焼き飯が人気らしい」と耳にする一軒があります。店名は「まる龍」。
ラーメン店で“焼き飯が主役”とは、いったいどういうことなのでしょう。気になった一言をきっかけに、あらためてお店を訪ねました。
きっかけは、イベント「しものせきラーメンコレクション」でのこと。会場で店主と話す中で、こんな言葉が印象に残りました。
「うちはラーメンも自信があります。でも、本当の人気は焼き飯なんです」
その真相を確かめるべく、今回は“ラーメンと焼き飯の両方”をしっかり味わってきました。

銀行員からラーメン店主へ。黒豚豚骨の本気
「まる龍」のオーナーは、もともと銀行員。「いつか飲食をやりたい」という思いを持ち続ける中でM&Aの話が舞い込み、2018年6月に店をオープンしたという異色の経歴の持ち主です。
目指すのは「下関のラーメンといえば“まる龍”と言われる店」。
その言葉通り、素材選びから調理法まで一切の妥協がありません。

- チャーシュー麺 980円
まずいただいたのは、人気の「チャーシュー麺」。スープは一口目から豚骨のうま味がしっかり感じられるのに、後味は重たすぎません。
その秘密は“黒豚豚骨”の存在。市内で使用しているのはここだけだという希少な素材を、水と豚骨のみで炊き上げているそうです。余計なものを足さないからこそ、コクの深さと飲みやすさが両立しやすいのかもしれません。

麺は彦島の製麺所と共同開発した中太麺。もちもちした食感で、豚骨スープを受け止めるよう作られています。替え玉率が8割を超えるという話にも、うなずけます。

チャーシューは8時間以上かけて仕込む自家製。炙りを入れることで香ばしさが加わり、トロッとした口当たりの中にも“肉感”が残っています。
ラーメンとしての満足感は、この時点でもう十分。…なのですが、ここからが本題でした。
本命は“焼き飯”。油で揚げるという哲学

- 焼き飯 750円
次に登場したのが、噂の「焼き飯」。見た目はシンプルで、派手さはありません。ところが一口食べると分かります。
「これは確かに主役だ!」
卵の香りがふわっと立ち、米一粒一粒が軽やか。パラパラというより、ふわっと軽い印象です。
店主によるとこだわりは「塩・米・火力」。炒め続けるというより「油で揚げる感覚」で一気に仕上げ、米の水分を瞬間的に飛ばして旨味を閉じ込めるのだそう。
シンプルな分、誤魔化しが効かない。だからこそ、これを目当てに開店前から訪れる常連がいるという話も、納得感がありました。

カウンター横のコーナーには、自家製の辛子高菜が用意されています。辛さは“ピリピリ”というより、喉の奥でじんわりヒリつくタイプ。焼き飯に少し混ぜると、香りと刺激が加わって、食べ進める勢いが変わります。
ラーメンに入れても、焼き飯に混ぜても相性がよさそうでした。無料サービスだからこそ、欲張りすぎず「食べ切れる分だけ」取るのがおすすめです。
豚サガリ鉄板という“第三の主役”

- 豚サガリ鉄板 950円
もう一品、印象に残ったのが「豚サガリ鉄板」。九州名物をリスペクトしたメニューだそうで、鉄板から立ち上る湯気と香りが食欲を刺激します。
豚サガリとキャベツを、ラードと胡麻油で丁寧に焼き上げ、辛味噌とニンニクチップを絡めていただくスタイル。
ここでふと思いました。
「これ、焼き飯と一緒に食べたらどうなるんだろう」。

結果は言うまでもなく、相性はかなり良好。肉の旨味と米の旨味が重なって、箸が止まりにくくなります。焼き飯の“受け止め力”を改めて感じました。
ラーメン店の枠を超えた一軒
「まる龍」は確かにラーメン店です。ただ実際に訪れると、「ラーメンだけの店」ではないことが伝わってきます。
素材の選び方、火入れ、塩加減。各メニューに手間と技術が積み重なっている印象でした。
黒豚豚骨の一杯を楽しみつつ、もし迷うなら焼き飯も一緒に。

「下関のラーメンといえばまる龍」。
その目標は、少しずつ現実なものになっている気がします。
ラーメンと焼き飯、どちらが主役に感じるか。
その答えは、食べた人それぞれの舌が教えてくれるはずです。





