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「山口DC」見るだけじゃもったいない!約600年の国宝・瑠璃光寺五重塔を五感で楽しむ 山口市「香山公園」のディープな散歩

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山口を訪れるなら、ぜひ立ち寄りたいのが香山公園。ここは、山口のシンボルとして親しまれてきた国宝「瑠璃光寺五重塔」がたたずむ場所です。

駐車場も五重塔の拝観も無料で、気軽に立ち寄れるのがうれしいポイント。

その魅力は、五重塔の姿だけではありません。

ガイドさんと香山公園を歩くと、木組みの迫力や不思議な音、歴史を感じる建物など、これまで気づかなかった見どころに出会えます。

2026年10月1日〜12月31日の期間は、山口県を舞台に「山口デスティネーションキャンペーン(山口DC)」が開催されています。

この機会に、「山口市観光ボランティアガイドの会」のガイドさんと香山公園を歩きながら、五重塔とその周辺の楽しみ方を探してみました。

あまり知られていない五重塔の見どころから、五感で楽しむ香山公園の歩き方までご紹介します。

今回お話を伺ったガイドさん(右)

※本文中の「◆」は、今回お話を伺ったガイドさんのコメントです。

 

1. 約600年前から山口を見守る国宝・瑠璃光寺五重塔

瑠璃光寺五重塔は、1442年(嘉吉2年)頃、守護大名・大内義弘の菩提を弔うため、弟の大内盛見が建立しました。

2022年12月から行われた「令和の大改修」では、約70年ぶりとなる檜皮葺き(ひわだぶき)屋根の全面葺き替えや木部の修理が行われ、2025年12月に完了。

現在は、美しくよみがえった鮮やかな姿を間近で見ることができます。

◆「山口の豊かな自然の中で、季節ごとの見応えのある姿も魅力です」

早春の梅から桜、新緑、紫陽花、百日紅(サルスベリ)、紅葉、そして雪景色へ。四季折々の景色を楽しみに、何度も足を運びたくなるスポットです。

9月下旬の取材時には、ひと足早く赤く色づいたモミジが、瑠璃光寺五重塔に彩りを添えていました。

 

ー ガイドさんおすすめ!木組みの迫力を感じるアングル ー

おなじみの「池越し」の景色はもちろん素敵ですが、ガイドさんに教えていただいたおすすめのアングルがこちら。

池の右側から塔へ向かい、若山牧水の歌碑を過ぎた階段の先です。

ここから見上げると、太い柱や軒下の複雑な木組みが迫り、正面から眺めたときとは印象が一変。約600年にわたって塔を支えてきた木の力強さと、精巧な木組みを間近に感じられます。

 

ー 山口DC限定!五重塔内部を特別拝観  ー

さらに山口DC期間中は、「国宝瑠璃光寺五重塔 御開帳・特別拝観」も実施されています。

普段は外から眺める五重塔ですが、特別拝観では塔の1層目(最下層)の外周にある「濡れ縁」に上がり、内部を間近に見学可能。秘仏・阿弥陀如来坐像と大内義弘公入道坐像のほか、塔の床下から最上部の相輪まで伸びる「心柱(しんばしら)」を見ることができます。

◆「普段は見られない心柱にも、ぜひ注目してください」

外観だけではわからない、室町時代の建築技術に触れられる貴重な機会です。

※特別拝観は実施日が決められており、事前予約が必要です(料金:1人1,700円)。最新情報は山口DC公式サイトをご確認ください。

 

ー 人生の節目に寄り添う風景 ー

◆「七五三や成人式、結婚、宮参りなど、人生の節目にもぜひ訪れてほしい場所です」

実は、山口市出身の私自身も、結婚の記念に五重塔を背景にウエディングフォトを撮影しました。当時は身近な風景のひとつでしたが、歴史を知って改めて見ると、約600年の時を重ねてきた塔が人生の節目を見守ってくれているような、温かい気持ちになります。

夜には日没から22時までライトアップも実施されているので、外食の帰りなどに、ふらりと立ち寄るのもおすすめです。

 

2. 五感で楽しむ!香山公園のディープな歩き方

◆「五重塔を見るだけではもったいないですよ。音を聴いたり、香りを感じたり、触れたりして楽しめる場所もたくさんあります」

ガイドさんと歩くと、思わず誰かに話したくなるような“ちょっと不思議なスポット”や、五感で楽しむ仕掛けに出会えます。

ー 「滑る木」から「滑らない木」? ー

五重塔からうぐいす張りの石畳へ向かう途中には、百日紅(サルスベリ)の幹から松が生えている珍しい木があります。

「猿も滑る」百日紅と、滑り止めにも使われる松脂(まつやに)を持つ松の組み合わせから、ガイドさんは「合格祈願のパワースポット」として紹介することもあるそうです。

 

    ー 「聴く」うぐいす張りの石畳 ー

    毛利家墓所へ続く参道で手を叩いたり足踏みしたりすると、石段に音が反響して「キュッキュッ」と、うぐいすの鳴き声のような音が返ってきます。

    石畳の上でジャンプして音を楽しむ観光客

     

    ー 音・香り・触れて楽しむ瑠璃光寺 ー

    境内では、大念珠の数珠玉を落とす音に耳を澄ませたり、大香炉の香りを感じたり、本堂の「なで仏」賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)に願いを込めて触れたり。五感を使いながら、参拝を楽しめます。

    左から、大念珠・大香炉・賓頭盧尊者

    3. 幕末の歴史が動いた「枕流亭」

    香山公園には、討幕に向けた密議が行われた「枕流亭(ちんりゅうてい)」もあります。

    ◆「室町の大内文化から幕末の歴史まで、ひとつの公園内でたどれるのも山口ならではの魅力です」

    もとは山口市道場門前にあった安部家の離れで、1867年には薩摩藩の西郷隆盛、長州藩の木戸孝允らが2階で会見し、連合討幕軍の結成を誓ったと伝えられています。

    討幕の密議が行われた枕流亭2階は、当時の間取りを今に伝えています

    4.散策の前後に立ち寄りたい、門前スポット

    香山公園を訪れたら、入口近くの「香山公園前観光案内所」にも立ち寄ってみてください。

    館内には、令和の大改修を終えた2026年に寄贈された五重塔の小塔が展示されています。

    ◆「この小塔では、ぜひ屋根を同じ高さの目線で見てみてください」

    小塔の屋根には、本物の五重塔と同じ「檜皮(ひわだ)」のパウダーが使われているそうです。

    日本三名塔のうち、檜皮葺きの屋根を持つのは瑠璃光寺五重塔だけ。法隆寺と醍醐寺の五重塔は本瓦葺きです。檜皮を重ねて葺くことで生まれる、やわらかく反り上がる屋根のカーブは、瑠璃光寺五重塔ならではの美しさです。

    本物では見上げることになる屋根も、小塔なら屋根とほぼ同じ高さの目線で眺められ、檜皮の深みのある茶色や落ち着いた質感を間近に感じられるのも魅力です。

    小塔を見てから実物を眺めると、檜皮葺きならではの屋根の美しさにも、自然と目が向きそうですね。

     

    ー 散策のあとは、山口グルメでひと休み ー

    五重塔を見て、歴史を知り、音や香りを感じたあとは、門前の「長州苑」へ。食事処「香山」では山口名物の瓦そばを、「5縁cafe」では山口銘菓・外郎(ういろう)をアレンジした「飲む外郎」を楽しめます。

    左から、熱々の瓦の上に茶そばをのせた「瓦そば」、外郎をアレンジした「飲む外郎」

    5. もう一か所巡るなら?近くに見どころがいっぱい

    「このあと、もう一か所行くならどこがおすすめですか?」 ガイド中、観光客からよく聞かれる質問だそうです。

    香山公園から車で約10分圏内には、湯田温泉、常栄寺雪舟庭、龍福寺、山口サビエル記念聖堂があります。

    温泉、庭園、歴史、建築と、それぞれ異なる魅力を楽しめるのが特徴。見どころがコンパクトにまとまっていて、旅の途中に気軽に立ち寄れるスポットが多いことも、山口市の魅力のひとつです。時間や興味に合わせて、もう一か所足を延ばしてみてください。

    「湯田温泉こんこんパーク」の芝生広場の無料足湯
    ※『nytimes.com』のHPより   米紙「The New York Times」が山口市を紹介した記事にも掲載された、龍福寺参道

    山口DCをきっかけに、もう一度「いつもの場所」へ

    約600年もの間、山口のまちを静かに見守ってきた瑠璃光寺五重塔は、地元で育った私にとっても、昔から当たり前のようにある身近な風景でした。

    けれど今回、ボランティアガイドさんのお話を聞きながら歩いてみると、何気なく通り過ぎていた場所にも、たくさんの物語や新しい発見があることに気づきました。

    2025年12月に「令和の大改修」を終え、いっそう美しくよみがえった五重塔。

    山口DCが開催されているこの特別な機会に、県外からはもちろん、地元の方も、もう一度いつもの景色を見に出かけてみませんか?

    今度は少しゆっくりと、見て、聴いて、触れて、味わって。

    きっと、これまでとは少し違う山口の魅力に出会えるはずです。

     

    取材を終えて

    取材中には、遠くドイツや北海道から山口を訪れていた方との素敵な出会いもありました。

    旅先で生まれるこうしたご縁も、山口の魅力のひとつ。

    撮影・掲載に快くご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました。

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