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温泉街で味わうやさしい料理とお菓子 長門市「うふふごはん」

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だんだんと暑さも和らぎ、朝晩は冷え込む日も多くなってきた秋の季節。長門市の山間にある温泉地「俵山温泉」に出かけてきました。

温泉街には「町の湯」と「白猿の湯」の2つの外湯があり、特に中心部にある「町の湯」では、旅行者と地元の皆さんが同じ湯に浸かり、それぞれ癒しのひとときを過ごす光景に出会えます。

今回は、そんな温泉街で、湯上がりにぴったりな「食」をご紹介します。

 

毎週水曜日の特別な味わい

「町の湯」の玄関を出ると、真っ先に目に入る「ねる山」の文字。こちらは空き旅館をリノベーションして生まれたゲストハウスで、温泉街に面した1階のスペースはカフェのような空間が広がります。

この場所を間借りする形で、毎週水曜日を基本に料理や焼き菓子を振る舞っているのが、古冨南さんと夫の竜也さんが運営する「うふふごはん」。

俵山地区を拠点として運営していて、週末は県内各地のイベントにキッチンカーで出店をされています。

毎回メニューは変わるそうで、この日は新米のおむすびと味噌汁のセットに、天然酵母で作られた自家製ベーグルのベーグルサンド。甘い香りのただようマフィンも3種が並んでいました。

 

旬を味わうやさしいメニュー

最初にいただいたのは、おむすびと味噌汁のセット。

ごはんは俵山地区で栽培された新米を、俵山の温泉水で炊き上げているそう。俵山温泉は「町の湯」内に飲泉所があるほか、温泉水の販売も行われています。

お皿の上のおむすびは2種。つややかに立った、一粒一粒の甘みや旨みが感じられる塩むすびに、しその実とちりめんを使った自家製の佃煮で和えた混ぜごはんのおむすびです。

「今日は、地域の方からさつまいもをもらったんです」

一緒に添えられた味噌汁の具材は、旬を迎えたさつまいもときのこ。いりこの出汁と自家製の味噌で仕上げられた一品です。

おむすびを一口、そして具材の旨みが溶け込んだ味噌汁をすすると、じんわりと温かく、温泉のように体にしみこんでいくのを感じました。

続いては、生ハムとモッツァレラチーズ、シャキシャキとした野菜を挟んだベーグルサンド。ベーグルも自家製で、天然酵母から作ってみようとチャレンジを繰り返してたどり着いたそう。

隣には、豆乳と塩だけで素材の味を引き出したという、かぼちゃのスープが添えられます。

 

人と地域を想う気持ちから

広島の専門学校で製菓を学び、長門市へ帰ってきたという南さん。その後、いくつかの飲食店で接客や調理に携わった経験が、今につながっていると話します。

「うふふごはん」は2020年10月2日にキッチンカーでの営業スタイルで開業し、2021年3月21日から俵山地区で出店をするように。そして2022年7月から「ねる山」での定期的な営業を始めました。

キッチンカーではスパイスの効いたカレーが人気でしたが、地域の皆さんも多く訪れるこの場所では、よりやさしい味わいのメニューに。地区内には水曜日が定休日のお店も多いことから、この日を選んだとのことです。

以前勤めた飲食店には常連さんも多く、お客さんの「いつもの」といった注文や好みが自然と覚えられるようになったという南さん。そうした人を想う気持ちが、料理の味わいにも表れているように感じました。

 

顔の見える食材を

食後には、やっぱり甘いものが欲しくなります。

今回は、俵山の「津田農園」で育てられたブラックベリーのジャムとクリームチーズのマフィンを選びました。

お供は俵山で自家焙煎された「COFFEE&ROASTER YAMA」のホットコーヒー。深煎りのコクのある苦味とマフィンの相性は抜群です。

「自分がおいしいと思えるものを、お客さんにも」

目の前に並んでいる料理やお菓子に使われているのは、どんな方がどんな思いで育てた野菜や果物、お米なのか。

南さんのお話の中には、たくさんの人の名前が出てきます。普段何気なく口にしている食材も、そうした背景を聞くとより味わいが増すような気がします。

温泉に浸かって、やさしい「食」を楽しんで。この日の俵山温泉では、人と人との距離がぐっと縮まったような、心がぽかぽかと温まる時間を過ごすことができました。

「うふふごはん」は、今後もキッチンカーで県内各地のイベントに出店予定。旬や人とのつながりを大切にしたメニューから、「うふふ」と笑みがこぼれるようなひとときをぜひお楽しみください。

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