親子で作るスパイスカレーとスイーツはいかが 山口市「キキリキ」
- グルメ
寒い時にも暑い時にも季節を通じて人気のメニュー、カレー。
県内にも各地にこだわりのカレー専門店がありますが、山口市に新たにスパイスカレーの店が誕生しましたので早速取材に行ってきました!
親子でオープン
山口市道場門前商店街に2023年10月にオープンした「スパイスと酒と喫茶 キキリキ」。
「コープやまぐち」のスーパーのちょうど目の前にあるお店です。
扉を開けて中に入ると、店内のつくりはグレーの壁とウッドのテーブルの組み合わせでが落ち着いた雰囲気。
観葉植物や天井から吊るされた植物がインテリアのアクセントになっています。
席数はカウンター席6席と4人がけのテーブルが3つの計18席。
カウンター席の壁にあるガラス越しには調理場の中の様子も見ることができます。
「キキリキ」を切り盛りするのは竹下千紘さんと母・奈美江さん親子。
母・奈美江さんはカレー作りの担当。そして娘の千紘さんは接客とデザートを担当しているそうです。
こだわりたっぷりのスパイスカレー
お店で提供するメニューは、スパイスカレーを中心に、デザート、ドリンクなどをラインナップ。
看板メニューのカレーは、「チキンカレー」「辛くないバターチキンカレー」「キーマカレー」、そして定期的に変わる「気まぐれカレー」の4種類。
いずれも母・奈美江さんが10種類以上のスパイスを配合して作り上げたカレーなんだとか。
筆者は今回、「チキン×気まぐれ合いがけカレー」を注文してみました。
- チキン×気まぐれ合いがけカレー 1,100円
お皿の真ん中にターメリックライスが盛り付けられ、その周りにチキンカレー、そして、この日の気まぐれカレー「あさりと和だしのスパイスカレー」のルーがかけられていて、見た目も食欲をそそりますよ。
チキンカレーはスパイスが15種類ほど使われているということで、複雑ながらしっかりとカレーの奥深い味を感じることができます。
一方、「あさりと和だしのスパイスカレー」の方はチキンカレーと比べると少しあっさり気味。
ただ、カレーならではの辛味・あさりの旨みもしっかり感じられ、チキンカレーと味を変えながら食べることができました。
カレーと一緒に運ばれてくる「玉ねぎのアチャール」は玉ねぎの辛さが効いたインドのお漬物。
提供するカレー自体は辛さが抑えられているので、これを入れることで辛さを調整することができるようになっています。
母の長年の夢を娘と実現
店主を務める娘の千紘さんは山口市の高校を卒業した後東京へ。
パティシエを目指す専門学校で学んだ後、都内のイタリアンレストランで勤めていたそうですが、30歳を機に「何か新しいことをしよう」と山口にUターンすることを決めた、と話します。
一方、母・奈美江さんは調理師としてずっと働いていたそうですが、10年ほど前に、当時山口市にあった「オニオン座」(今は閉店)で食べたスパイスカレーに感動し、スパイスの奥深き世界にハマったのだとか。
以来、全国のカレー屋を巡りながらスパイスカレー作りに没頭し、いつしか夢は「カレー屋開業」に。
そして去年、商店街内の物件に空きが出たタイミングと千紘さんが山口に帰ることを決めたタイミングが重なったことから、母・奈美江さんの声がけで一緒にお店をすることが決まったそうです。
デザートにドリンクもこだわってます
食後、そしてカフェタイムには千紘さんの作るデザートとドリンクを満喫しましょう。
デザートは「ガトーショコラ」や「バスクチーズケーキ」「アップルパイ」などから選ぶことができますが、今回はガトーショコラとクラフトコーラをセレクト。
- お好きなソフトドリンク&ケーキセット 930円
「ガトーショコラ」は「ずっしりとした濃厚なショコラ」を目指したそうで、確かにチョコレート感をしっかり感じられ、苦さと甘みのバランスが取れた一品でした。
- ガトーショコラ(単品) 600円
小麦粉を使わずグルテンフリーにもこだわっているということで、アレルギーの方や、美容・健康にも気を使っている人でも安心して食べられますよ。
そして、自家製の「クラフトコーラ」はカレー専門店ならではのこだわりで、10種類のスパイスを使用したドリンクです。
- クラフトコーラ(単品) 420円
親子2人で試作を繰り返して完成させたそうで、中華料理にも使われるスパイス「八角」の味を特徴的に感じつつ、さっぱりとひきしまった味わいでした。
ランチ・カフェ・居酒屋としてどうぞ
お店はクロージングタイムを設定せず、午前11時から午後9時まで営業していますので、ランチタイムだけでなく、日中のカフェとしての利用も可能です。
店内にはWi-Fiもコンセントもありますので、打ち合わせや仕事での使用もできそうです。
そして午後5時からは、通常のメニュー展開に加え、枝豆や唐揚げといったおつまみも提供。
ビールなどのアルコールメニューもあるので、居酒屋的に利用しつつ、〆にカレーというのも”あり”ですね。
地域に馴染む店に
開店して4ヶ月ほど。
奈美江さんは朝と夜の時間を見つけては4種類のカレーを一人で仕込んでいるそう。
「慣れてきたけどこんなに大変だとは」としつつ、「お客さんに『おいしかったよ』と言ってもらえるとやっぱり嬉しい」と明るく話します。
取材時も、チキンカレーの仕込みをしながら「玉ねぎが(「きつね色」を超えて)『たぬき色』になるまでしっかり炒めると甘さがしっかりと引き出せる」と教えてくれ、美味しいカレーになるようフライパン2つ分の玉ねぎを時間をかけて炒めていました。
また、千紘さんは、「家族だからといって”なあなあ”な関係にならないように」注意しているそうですが、ランチタイムから夜の時間まで、そのタイミングに合わせて自由に利用をしてもらって、「地域に馴染む店にしていければ」と話してくれました。
店名の「キキリキ」とはスペイン語の「quiquiriquí」で、鶏の鳴き声を表し、日本語だと「コケコッコー」に当たる言葉だそう。
「チキンカレーがメインなので」とその由来を教えてくれましたが、その名の通り、お客さんの元気で楽しい声が響く、居心地のいいお店になっていきそうですね。