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まちを象徴する銘菓が復活! 山陽小野田市「復刻せめんだる」

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1881年(明治14年)に国内初の民間セメント製造会社として山陽小野田市に創立した「セメント製造株式会社」。会社は「小野田セメント株式会社」と改称し、名実ともに山陽小野田市を象徴してきました。
今でも「セメント町」という住所があるほど、セメント産業は山陽小野田市民にとって身近な存在です。
今回は、セメントで発展したそんな街を代表するお菓子「復刻せめんだる」をご紹介いたします。

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セメント樽の形をしたお菓子の誕生

140年以上前に始まった山陽小野田市でのセメント製造。今では専用の運搬車などで運ばれることが主流となりましたが、昭和初期頃までは木製の樽に詰められて出荷されていました。

このセメント樽に着想を得て「有限会社つねまつ菓子舗」から1950年代に発売されたのが「せめんだる」というお菓子です。
セメント樽の形をした皮に粒あんを包んだ最中(もなか)で、山陽小野田市では手土産の定番として長く市民に愛されていました。しかし、新型コロナの猛威を受け、2022年に姿を消してしまいました。

お土産としてはもちろん、家庭でも愛されていた「せめんだる」がなくなったことを受け、「県外へ行くときの手土産がなくて困る」という市民もいたほど「せめんだる」の生産終了を惜しむ声が相次いだそう。県外出張が多い筆者もよく「山陽小野田市といえば、『せめんだる』という美味しいお菓子があるよね。え?なくなったの?どうして??」という会話を経験してきました。

そんな状況を打開したのが、小野田商工会議所。「せめんだる」の商標を買い取り、復活に向けて動き出しました。

銘菓復活に向けて

復活を決意したものの、市内では最中(もなか)を作れる和菓子屋さんがなく、手探りの状態からスタートとなります。

多方面から後押しされていた「極みの食パン 安都佐(あずさ)」を運営する社会福祉法人「健仁会」が最中(もなか)づくりを引き受けますが、スタッフ全員が和菓子作り未経験でした。
美味しいあんこを模索し、日本全国で活躍する和菓子職人・小幡寿康氏に師事することで、美味しいあんこ作りのノウハウを学びました。

また、独特の樽型の最中(もなか)の皮は、型が残っていなかったので、新たに作り直すことになりますが、初代の「せめんだる」と同じ工場で焼いてもらえることとなりました。

開発スタッフのリーダーである越智 和恵さんは、「山陽小野田市で生まれ育った人なら誰もが『せめんだる』を知っている。だからこそ、復活させることに嬉しさと誇りを感じました。だけど同時に強いプレッシャーもあった。やるからには、責任を持って、心を込めて作ろうとスタッフ皆で話し合いました。」と当時の心境を教えてくださいました。

樽の形をした皮の中には自信作の美味しいあんこがぎっしりと詰まっています。

試行錯誤の末、ついに「復刻せめんだる」が完成しました。

商品化が決まった際には、復活を聞きつけた元「つねまつ菓子舗」の恒松氏から温かい励ましの言葉とともに、当時使用していた「せめんだる」の看板を譲り受けることとなりました。

「美味しいと言っていただき、嬉しかったです」と越智さんはあたたかい笑顔で話していました。

大反響の「復刻せめんだる」

2024年4月19日に「復刻せめんだる」の発売が開始されると、お昼過ぎには完売する日もあるほどの大反響で、今では「安都佐」の一部商品の販売を中止して生産するほどの人気商品になっています。

  • 復刻せめんだる 1箱10個入 1,350円

「久しぶりに食べられる。」「復活してくれてありがとう。」という嬉しい声も、沢山届いているそうです。

筆者も「せめんだる」の復活を知ったときは、言葉にならないくらい嬉しく待ち遠しい気持ちでいっぱいでした。そして久しぶりに食べる「せめんだる」は、記憶通りの懐かしい最中(もなか)の味に感動。ぎっしり詰まったあんこは少し甘さを控えめに、進化しているように感じました。

大きな期待とプレッシャーを背負いながら、見事に「せめんだる」を復活させた越智さん。「産業との結びつきが深い山陽小野田市を連想させるのが『せめんだる』という商品。ビジネスシーンなどでも話のネタにもなってくれる。永く愛される商品として、市のPRにも貢献したい。」と話してくださいました。

山陽小野田市民の歴史と絆が詰まった「復刻せめんだる」を是非ご賞味ください。「極みの食パン 安都佐(あずさ)」でお買い求めいただけます。

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