イタリアの食とアートを懐かしい古民家で 山口市「イタリア食堂 ベケ!?」
- グルメ
古民家の玄関をくぐると、そこはイタリア!?
日本とイタリア、そして食とアートが広がる空間「イタリア食堂 ベケ!?」のご紹介です。
古民家をリノベーションしたお店
山口市野田、歴史や文化の薫る大殿地区にある、古民家を改造したレストラン「イタリア食堂 ベケ!?」。
近くには八坂神社や龍福寺など、古くからの建造物が立ち並びます。
お店の目印は大きなイタリア国旗!
入口には麦わらで編んだ手作りの『蛍かご』が吊るされています。
昔ながらの玄関は、まるで懐かしい我が家へ帰るよう。店内へは靴のまま上がれます。
日本の伝統とイタリアのアートが融合
広々とした店内には、テーブル席が並ぶほか、さまざまなアート作品や写真、本などが置かれています。
イタリアとアート、日本文化が融合した、オリジナリティあふれる空間です。
お店は、イタリア人アーティストのロベルトさんと、シェフである粉川(こかわ)さんが夫婦で営んでいます。
店内にはあちこちにロベルトさんの作品が飾ってあり、ギャラリーとしても見どころが満載です。
改装の際にも、壁の塗装などはロベルトさんが行ったのだそう。料理だけでなく、建物や家具にも二人のセンスが光っています。
一つひとつ手作りのランプ。照明もひとつの作品です。
二人の演出する店内は、日本の伝統家屋でありながら「リトル・イタリア」。数々の作品に彩られた、唯一無二の空間だと感じました。
カウンター席から見える庭には緑がいっぱい。四季を愛でながらゆったりと過ごすことができます。
本場イタリアの家庭料理ランチ
ランチではミニコース『プランツォ バルカッチャ』2420円(税込)を提供。
前菜・パスタ・デザートの順で、イタリアの家庭料理が楽しめます。山口県内の食材をふんだんに使用されているそうです。
・今日の前菜盛り合わせ
ロベルトさんの作るイタリア家庭料理が日替わりで出てきます。(私の訪問した日はロベルトさんがイタリアへ帰国されており、粉川さんがすべて手作りされていました。)
奥から、インゲン豆とセロリのイタリアンサラダ、インゲンの香り和え、かぼちゃのバルサミコソース和え、
ナスのカポナータ、イタリア風オムレツ、モッツァレラと生ハム、ブルスケッタ。
ナスやインゲンなどなじみ深い野菜も、本場イタリアの味に変身!
イタリアのマンマ(お母さん)の味、といったところでしょうか。
・パスタ
パスタは数種類から選べます。私が選んだのは9月限定(+330円)の『ブドウとサルシッチャの酔っ払いパスタ』。
ブドウとワインが使用されているので『酔っ払いパスタ』という名前だそう。
驚くべきは、パスタにブドウが入っていること!
ごろごろと入った丸ごとのブドウが、サルシッチャ(豚ひき肉)とよく合います。
パスタにも赤ワインが練り込まれており、ほんのり赤く色づいているのも特徴です。
・本日のデザート盛合せ
右から、ガトーショコラ、アーモンドとトウモロコシ粉のクッキー、チョコウエハース、梨とゆず吉、リンゴとショウガのキャラメリゼ、パンナコッタ。
お店では、素朴で飽きのこないイタリア菓子を季節限定で販売しています。
イタリア伝統のチョコレート菓子からお酒に合うものまで、他では味わえないお菓子を揃えているそうですよ。
イタリアに住んでいたから見える「山口の良さ」
兵庫県生まれの粉川さん。20代の終わりに単身イタリアへ渡り、イタリア料理の修行を積んだそう。
ロベルトさんと結婚し、2016年に『山口市地域おこし協力隊』として来日されました。
なぜ、縁もゆかりもない山口市を選んだのでしょう?!
「山口市はヨーロッパの街づくりと似ているな、と。歴史地区のすぐ近くに郊外があり、ゆったりとしているがそこそこ便利、ヨーロッパはそういう街の構造なんですね。
こういう街ならロベルトも気に入るだろうな、と思って山口市に決めました」
11年間イタリアで過ごした粉川さんだからこそ、見えた山口市の良さを、このように話してくださいました。
ベケの料理で大殿地区を盛り上げたい
『山口市地域おこし協力隊』として移住したときから、蛍かご作りなど大殿地区の活性化に携わってきた粉川さん。
これからも、月替わりのメニューやイタリアの文化を取り入れたイベントで、お店も大殿地区も盛り上げていきたいと言います。
「ベケのメニューで『季節が巡ってきたな』と感じてもらえたらうれしい。今後はディナーもブラッシュアップする予定です」と笑顔で語っていました。
リトル・イタリアを味わいに、ぜひ訪れてみてくださいね。