家族連れでも楽しめる酒屋さん 山口市「ワインと地酒のムラタ」
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今回ご紹介するのは、山口市で長く愛され続ける酒屋です。
お酒を楽しむ方だけでなく、飲めない方にも愛されるユニークなお店づくりで従来の酒屋の概念を覆す、その魅力を紹介します。
酒屋のイメージが変わる店内
山口市中心部、一の坂川や瑠璃光寺といった観光名所から車でわずか3分の距離にある「ワインと地酒のムラタ」(山口県山口市上竪小路75)。
大きな「‘M」の文字と郵便ポストが目印です。
駐車場は店舗前に3台、奥に4台分のスペースがあります。
植物で飾られた入口から店内に足を踏み入れると、そこは従来の酒屋とは異なる明るく開放的な空間が広がっています。
店内を見渡すと目に飛び込んでくるのは、大きなフォントで描かれた手書きポップや、豊かな緑の観葉植物、美しいドライフラワーなど。
これらのディスプレイは、有名な美術大学出身の社長が手掛けているとのこと。
焼酎は30種類、日本酒やワインは各50種類、ハイボールや梅酒などのリキュールも約30種類取り揃えられています。
家族連れでも訪れやすいユニークな酒屋
お酒の品揃えはもちろんのこと、多彩な調味料やお菓子が揃っているのが、このお店の大きな魅力です。
そのため、家族連れのお客さんが多く訪れます。お父さんはお酒やおつまみを、お母さんは油やみりんなどの調味料を選び、子供たちはチョコレートやビスケットを選びます。皆がそれぞれの好みを見つけられますね。
しかも、ここで扱っている商品は、スーパーではあまり見かけないこだわりの品々ばかりなんです。
例えば、こちらのカラフルな紅茶は「第3世界ショップ」というメーカーのもので、フェアトレードやオーガニックにこだわった製法と原材料が特徴です。
「Artisanシリーズ」では、様々な障害を持つ方々が自分の個性を活かして描いた温かみのあるパッケージが印象的なんですよ。
お酒を買いに来たはずが、思わぬ出会いが待っていた、ということもあるかもしれませんね。
貴重で希少なお酒「無可有(むかう)」
そうはいってもここは酒屋さん!
ということで、豊富なお酒の中からいくつかおすすめを紹介したいと思います。
- 本坊酒造 「無可有」(1,800ml) 11,880円
こちらのお酒は、鹿児島県に本社を置く本坊酒造が手掛ける、年に一度だけ数量限定で販売される非常に珍しい逸品です。
屋久島で手作りされた甕(かめ)貯蔵のいも焼酎で、豊かな香りと丁寧に熟成された芋の風味が、多くの酒好きの心を掴んで離さないと言われています。
「無可有」という名前は、作為のない自然を意味し、トンネル貯蔵庫で光や温度の変化をほとんど受けずに大切に育まれました。
焼酎特有の臭みが少なく、焼酎が苦手な方でも楽しめると評判です
山口県限定の逸品
- 中島屋酒造場 「中島屋 汚れつちまつた悲しみに……」 (720ml) 2,860円
山口市出身の詩人・中原中也の「汚れつちまつた悲しみに…」をテーマにした特別なお酒を見つけました。
これは山口市にある「中原中也記念館」の30周年を祝うために作られた日本酒で、創業200年を誇る周南市の中村屋酒造場が手掛けた、山口県限定の逸品です(一部県外でも購入可能です)。
パッケージには、小雪と風の中で少し寂しげな中也の姿が、漫画家の浅田弘幸さんによって美しく表現されています。アルコール度数は16度で、まろやかな口当たりが特徴です。冷やからぬる燗まで楽しめるので、お好みに合わせてお楽しみください。数量限定とのことなので、興味のある方は早めに手に入れてくださいね。
パッケージに心が躍る、簡単カクテル
- NIO COCKTAILS(各種) 1,320円
お酒といえば、瓶か缶に入っている。そんなイメージを覆すのが、まるでハンカチが入っている?と見間違える可愛らしさのこちら。
紙のパッケージですが、中身は驚きのカクテルなんです。
カクテルといえば、バーテンダーがカウンターでシェイカーを使って作る姿が思い浮かびますが、こちらは(箱のまま)振る、(箱の端っこを)ちぎる、そそぐ、の3つの行程で、簡単に美味しいカクテルが出来上がり、という商品です。世界的にも有名なバーテンダーがレシピを作っているということから品質も間違いなし。
どこでも誰でも気軽に出来上がるため、プレゼントにもぴったり!
マルガリータやギムレットなど、誰もが知っている人気のカクテルが揃っていますよ。
「ムラタ」の歴史と現在
「創業何年くらいでしょうか?」と尋ねると、「曽祖母が雑貨屋をやっていた頃から数えると、100年くらいかな?」と答えてくれたのは、社長の息子の村田信介さん(写真左)。お隣は奥さまの樹里さん(写真右)です。
お店は、今の社長の代に酒屋へと変わりましたが、その当時はビールを扱う老舗が多かったそうです。他店と差別化し、どうすれば生き残れるか必死に考えた結果たどり着いたのは、当時あまり取り扱われていなかった「日本酒」だったそうです。
信介さんは、日本酒の酒蔵で3年半働いた後、さらに多くの酒蔵を訪れました。
日本酒だけでは物足りず、ワインやウイスキー、焼酎も試飲し、アルコールの影響で喉が痛み、医者に驚かれたこともあるそうです。
彼の探究心は非常に強く、知らないお酒については商社に問い合わせて学んでいます。「こんなお酒見たことがない!」というお客さんの声が多いのは、信介さんの長年の努力の結果なのです。
また、お酒だけでなく、ノンアルコールの知識も豊富なんですよ。
そして、信介さんの知識と同じように、この店を輝かせているのは奥様の樹里さんの存在です。
樹里さんは昔、アルバイト先の上司から「自分のファンを作りなさい」とアドバイスを受けたそうです。
アイドルではないのに、ファンを作るとはどういうことなのか、疑問に思いながら働いていました。
そんなある日、常連のお客様から「あなたがいるからここに来ているんだよ」と言われ、心が温かくなり、上司の言葉の意味を理解したそうです。それ以来、接客の重要性や喜びを感じ、「接客業」が大好きになったとのことです。「同じ商品を買うにしても、接客が大事だよね」と、お客様との関係を大切にしながら日々を過ごしています。
柔らかな物腰と人懐っこい笑顔の樹里さんは、今も多くのファンを増やし続けています。
ぜひ、特別なお酒との出会いや温かい雰囲気を体験しに、「ムラタ」に立ち寄ってみてください。
看板猫のレッドも、皆さんのお越しをお待ちしております!