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時を超えるアンティーク空間で、服の物語に触れる 山口市「MAJOR CHORD」

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街歩きが好きな人なら、一度は気になったことがあるかもしれません。新町商店街の一角に佇むセレクトショップ「MAJOR CHORD(メジャーコード)」。その格式高い扉を開くのには少し勇気がいります。しかし、その先にはまるで別世界のような美しい空間が広がっていました。

【写真はこちら】まるで博物館のような洋服屋さん

 

パリの駅舎を思わせるアンティークな空間

「MAJOR CHORD」(山口県山口市米屋町1‐4)があるのは山口市の駅前通り沿い。アーケード街との交差点の少し県庁側にあります。

筆者が山口市に移り住んで3年半、ずっと気になっていたのに、なかなか足を踏み入れる勇気が出なかったお店なんです。

 

店内に足を踏み入れると、そこには時を超えたような雰囲気が広がっています。パリの老舗レストラン「Bouillon Chartier(ブイヨン・シャルティエ)」をイメージしてデザインされたという空間は、アンティークの温もりに包まれ、歴史の深みを感じさせます。

大きな鏡が壁を飾り、ヴィンテージの照明が柔らかく店内を照らしています。

什器のひとつひとつにもこだわりが詰まっており、ハンガーラックには実際に競馬場で使われていた蹄鉄が装飾として取り入れられています。

ヨーロッパでは幸運の象徴とされる蹄鉄が、さりげなくお店の入り口にも埋め込まれているので、訪れる際にはぜひチェックしてほしいです。

特に目を引くのは、ウィンドウに置かれた古いYAMAHAのオルガンです。その佇まいだけで、オーナーの美意識とこだわりの深さが伝わってきます。

 

失われた職人技を現代に——MAJOR CHORDの洋服

かつて、1940年代以前の服はすべて手作業で作られ、型紙も多く、一着を仕立てるのに膨大な手間がかかっていました。しかし、大量生産が進むにつれ、伝統的な職人技が失われてしまいました。

「MAJOR CHORD」では、そんな職人技を受け継ぎつつ、現代のモードと融合させた洋服が並びます。どのブランドも、ただ美しいだけでなく、歴史と技術が織り込まれたアートピースのような存在。見れば見るほど、その奥深さに引き込まれます。

店長の向坊(むかいぼう)和恵さんに、特におすすめのブランドを4つ紹介してもらいました。

 

  • hallelujah(ハレルヤ)
    1900年代初頭の服をベースに、型紙から再構築。天然素材のベルギーリネンと立体裁断による美しいシルエットが特徴のハンドメイドブランドです。

  • HANNOH WESSEL(アノー・ヴェッセル)
    ヴィンテージの要素を取り入れながらも、エレガントでワーク感のあるデザインが魅力。イタリア製にこだわり、リネンコットンやウールなどの天然素材を使用したユニセックスなアイテムを展開しています。

 

  • UMIT UNAL(ウミット ウネル)
    トルコ・イスタンブール発のブランド。ヴィンテージとモードを融合させたデザインと、肌触りの良い生地感が特徴。ハンドメイドならではの温かみと美しいシルエットが際立ちます。

 

  • Little Creative factory
    ‘Slow Manufacture’をコンセプトとするスペイン バルセロナ出身のハイブランド。ナチュラルな雰囲気ながらも洗練されたデザインで意外に合わせやすいのがポイント。子供時代の好奇心や無垢で純真な心をそのまま衣服にしたブランドで、バルセロナの伝統的な生地を使用したり、パターン図柄とともにレトロスペクティブで魅力的な作品を発表しています。
    他にも、simeon farrar(U.K.)などのお取り扱いもあります。

 

服の「物語」を纏うということ

それぞれの服には、それを生み出した職人たちの想いが込められています。その背景を知ることで、服は単なる消費財ではなく、身にまとうアートへと変わります。

また、流行に左右されないデザインも魅力のひとつです。二十年前に購入した洋服が、今でも違和感なく着られる。そんな「時間と共に育つ服」は、まさにサステナブルな時代にふさわしいと感じます。

そして、「MAJOR CHORD」には、年齢も職業も異なるお客さんが訪れます。訪れる年齢層は、20代から90代までなのだとか。

店内の奥にはくつろげるスペースがあり、そこで生まれる会話が新たな出会いを生みます。

「量販店では味わえない、自分の体にフィットする服に出会える」「昔、おしゃれに夢中だった頃のときめきを思い出せる」そんな声が、常連さんたちから聞こえてきます。

 

あなたも、この扉を開けてみませんか?

「気になるけれど、入りにくそう」そんな声をよく耳にします。信号待ちでつい見てしまったという人もいるかもしれません。でも、一歩踏み出してみてほしいです。その扉の向こうには、特別な世界が広がっています。

オーナーは毎年、パリコレの時期にパリへ赴き、世界中のデザイナーと直接交渉しながら買い付けを行っています。だからこそ、ここでしか出会えない一着があります。

あなたも、勇気を出してこの扉を開けてみませんか。

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