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昭和初期と現代のビールサーバーでここでしか味わえない一杯を! 宇部市「YURIN’S BEER(ユーリンズ ビア)」

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8月も終わりに近づいてきましたが、まだまだ暑い日が続きますね。こんな時には、冷たいビールをグイッと飲んで喉を潤したくなりませんか?今回は、そんな時にピッタリなお店をご紹介します。
昭和初期と平成のビールサーバーを使い分け、さらには、ビールの注ぎ方を変えることで味わいを変えて提供するという県内初の生ビール注ぎ分け専門店です!

 

広島の有名店の技術とイズムを受け継ぐビアバー

「YURIN’S BEER(ユーリンズ ビア)」(山口県宇部市中央町3-4-25)は、JR宇部新川駅近くの少しレトロな雰囲気を感じる繁華街の中にあります。駅からは、国道190号線方面に歩いて8分ほどです。

店内は、木目調のカウンターと赤レンガが印象的。カウンターの9席のみですが、その分、お店の方との距離感も近くてお喋りも楽しめそうです。

こちらが、「YURIN’S BEER」の店主・「ゆーりん」さんこと中村翔太さんです。以前、勤務していた飲食店で「油淋鶏」好きな常連さんから名付けられたニックネームを店名に取り入れました。

なんと、ゆーりんさん、元々はバンドマンだったそうで、デビューを目指して上京された経験もあるそう。当時、横浜にあるサッポロビールのビヤホール「銀座ライオン」でアルバイトしていた経験から、地元・宇部にUターン後、4年前に生ビールの注ぎ分け専門店「YURIN’S BEER」を開業しました。

ゆーりんさんは、広島の有名店「ビールスタンド重富」に通い、マスターの重富さんが講師を務める「生ビール大學」も卒業するなど、重富さんから直にビールの注ぎ方や知識などを教わったそう。なんと、ビールスタンド重富のビールサーバーで注がせてもらったこともあるとのこと。その技術やイズムに大きな影響を受け、師と仰いでいるそうです。

 

銘柄は1種類!注ぎ分けで味わいが変わる一杯とは?

そんなゆーりんさんが提供するビールは、まさに「ビールスタンド重富」と同じスタイル。昭和初期のビールサーバーと現代のビールサーバーを使い分けながら、注ぎ方によって味わいを変えて生ビールを提供します。

3つ並ぶビールサーバーのうち、両端は昭和初期のビールサーバー「スウィングカラン」。真ん中が現代の一般的なビールサーバーです。

誰でも簡単にビールが注げる現代のサーバーに対して、「スウィングカラン」は、昭和初期にビヤホールで使われていた様式のサーバーで、使いこなすには技術も必要とされています。現在、山口県内でスウィングカランのビールを味わえるのはこちらの「YURIN’S BEER」のみです。

こちらで扱う銘柄は、サッポロ黒ラベルのみ。1種類の銘柄に対して、3つの注ぎ方で味わいを変えて提供します。

 

まずは、一杯目にオススメだという一番人気の「FIRST(ファースト)」

・FIRST(ファースト) 790円

FIRSTは、日本の生ビールの原点である「一度注ぎ」と呼ばれるもので、スウィングカランだからこそ味わえる一杯です。泡の口あたりも柔らかく、雑味がないクリアな味わい。喉にスッと流れ込んでくる爽快感は、まさに一杯目におススメです!

そして、なんといっても驚くのが、わずか3秒ほどで泡まで一気に注ぎ切ってしまうという早業!
というのも、現代のビールサーバーは5mmの配管で抽出されるのに対して、スウィングカランは、9mmの太い配管となっていて、勢いよく注ぐことができる作りになっているのです。

その分、技術がないと泡ばかりになってしまうため、ビールと泡の黄金比である7:3で注ぐためには、グラスの高さや角度などに加えて、レバーを真っ直ぐ回して勢いよく注ぎつつ、グラスの中でビールを回転させながら泡まで一度に注ぎきる伝統の注ぎ方を習得しなければならないそう。まさに、泡の勢いをコントロールする技術が必要な職人技で最高の一杯がいただけるんですね。

 

続いていただいたのが、こちら。

・SHARP(シャープ) 790円

こちらは、現代のサーバーで注いだビールに昭和のサーバーできめの細かい泡をのせて仕上げる一杯です。とろっとろの泡の後に、喉にグッとくる炭酸のキレとほろ苦さがしっかり効いてくるビールで、日頃飲んでいる生ビールに近いですが、やはり泡のとろとろ感はここでしか味わえないなぁと感じました。FIRSTとは味わいが全く異なることにも驚きました!

 

そして、3杯目がこちら。

・MILD(マイルド) 790円

こちらは、昭和のサーバーで3回に分けてビールを注ぐ一杯。いわゆる「三度注ぎ」と呼ばれるもので、提供まで約3分ほどかかります。ビールを注いでは泡を落ち着かせることで、炭酸と苦みを最大限に和らげ、麦の甘みを引き出す注ぎ方です。まさに、まろやかな味わいとのど越しで、これも、職人技を要するスウィングカランだからこそ味わえる一杯だなぁと感じました。

写真提供:YURIN’S BEER

同じ黒ラベルを飲んでいるのに、注ぎ方によって、こんなにも味わいが違うものなのかと驚くばかり!ゆーりんさんが説明しながら注いでくれ、その様子を直に眺められるのもワクワクして、ビール好きにはたまらない楽しい時間となりました。

「YURIN’S BEER」をきっかけにビールが好きになった方や、ここのビール以外は飲めないとおっしゃるお客さんもいらっしゃるのも納得の美味しさでしたよ。ぜひ、この味の違いをお店で確かめてください!

 

ここでしか味わえない一杯を提供するために

昭和と現代のビールサーバーを巧みに使い分ける「YURIN’S BEER」では、本当に美味しいビールを提供するために、技術を磨くだけでなく、ビールサーバーなどの管理も大切にしています。

閉店後には、毎日、サーバーのホースを水で洗い流したり、パーツも分解して洗浄するなど丁寧な手入れや管理を行っています。

グラス1つとっても重要なのだそう。グラスが汚れているとビールの泡持ちにも影響が出るそうで、一つひとつを水で手洗いし、繊維が残らないよう布巾は使用せずに自然乾燥させるそう。

ビールを飲んだあとにグラスの内側に残るリング状の泡の跡「エンジェルリング」と言うそう。清潔なグラスに美味しいビールが注がれた証拠で、きちんと品質管理がされているからこそ現れる泡のリングです。飲食店として、衛生面の管理は基礎的なことではありますが、本当に美味しい、ここでしか味わえないビールを提供するために、日々の一つひとつの細かい作業を怠ることなく丁寧な管理にも務めているんです。

ちなみに、ひと口ふた口と飲み進めるたびに泡がつくので、その輪の数で何度で飲み干したかわかるそうです。そんなビールに関するうん蓄を教えてもらえるのも、「YURIN’S BEER」の魅力のひとつだなぁと感じました。

 

お客さんのニーズに応えられる店でありたい

さて、私が「YURIN’S BEER」に伺ったのは、お昼間の時間。なんと、平日は午後3時から、土日祝日は正午から営業をしているんです!

というのも、早い時間から営業をしている居酒屋やBARが少ないこともあり、昼間からお酒を楽しみたいという人達のニーズに応えようと日中から営業をしています。0次会に利用されたり、早い時間から空いていて助かるといった声もあるそうです。

しかも、店内は禁煙なので、お子さん連れも気にせず美味しいビールを楽しめるという、子育て世代にはありがたいお店なんです!ビール以外のアルコールも充実しているほか、ソフトドリンクもあるので、子どもたちと一緒に乾杯!なんてことも楽しめるほか、日中にママ友同士で利用することもできます。

写真提供:YURIN’S BEER

自家製の煮卵やメンマなどのおつまみも人気だそう。ビールに合うこと間違いなしですね。

1杯のビールを通して、様々な人達のニーズにも寄り添ってくれる「YURIN’S BEER」。ぜひ、店主・ゆーりんさんとのお喋りも楽しみながら、ここでしか味わえない、本当に美味しいビールを味わってみてください。

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