夏の風物詩!防府市が誇るブランド『天神鱧』
- グルメ
梅雨明けから夏にかけて旬を迎えるハモ料理。
独特な歯ごたえとさっぱりとした味わいは暑さを忘れさせてくれる一品ですよね。
このハモですが「京料理」というイメージから「関西」の魚だと思われる方も多いと思いますが(筆者もそうでした)、
実は防府市が全国有数の産地だということ知っていましたか?
今回は、今や地元のブランドにもなった、絶品のハモについてご紹介します!
漁獲量全国トップクラス!山口県のハモ
全身のヌメリと鋭い歯・・・。こちらが今回の主役の「鱧(はも)」です。
山口県防府沖は遠浅で砂泥状の海底が広がり、鱧の産卵地に適していることから、古くから鱧漁が盛んだったそう。
特に梅雨明け時期は、河川から山林の豊富な栄養分が海へ流れ込むため、良質なプランクトンが多く含まれた水を飲んで育った鱧は特に美味しいといわれています。
まさに、これからが旬!というわけです。
しかし、全身に1,200本以上の骨があり、美味しく食べるには細かく切り目を入れていく「骨切り」という技術が必要で、調理に手間も時間もかかり、職人の腕に味が左右される食材なのです。
職人が腕を磨きあう『はも塾』
2005年に防府市内の飲食店有志で開講した「はも塾」。
お客においしいハモ料理を召し上がっていただこうと、技術研修や勉強会、メニュー開発などの活動をしています。
令和への改元の際には、梅肉で色付けた紅白のオリジナルメニューを考案・販売し、話題となりました。
- 鱧しゃぶ令和慶祝仕立て(期間限定)
『天神鱧』とは
2011年に商標登録された『天神鱧』は、「はも塾」加盟店の職人が調理したハモ料理のことを指します。
「産地でいくら鮮度が良くても、捌く技術が無いと美味しいハモは提供できない」と考え、
「はも塾」で職人たちが技を教えあって「防府市のハモ料理」をレベルアップ、ブランド化させたのです。
その思いと技術が詰まったのがこちらの『天神鱧特製弁当』です。
- 天神鱧特製弁当 各種1,000円
イベント限定で販売され、毎回即完売となるほどの人気で、昨年は市内のスーパーマーケットで記念販売も行われました。
地元の天然鱧を新鮮なうちに地元で召し上がっていただきたいという思いで、それぞれのお店から採算度外視の1,000円で提供されているそうです。
このような有志の団体が10年以上続いていることについて「はも塾」に伺うと、
「それぞれが、真剣に考えて、本気で思っているからでしょう」との回答が。
職人たちが真剣に学び、本気で届けてきたハモの美味しさは確実に地域に伝わり、広がり、根付いてきました。
「はも塾」加盟店では、さまざまなハモ料理が提供されていますが、とりわけ「天神鱧」の魅力を最も強烈に感じることが出来る!と職人たちが太鼓判を押すのは、『鱧しゃぶ』です。
絶品!鱧しゃぶ
「はも塾」塾長が営む防府市の料亭「桑華苑」に伺いました。
明治43年(1910年)から続く老舗料亭。
1979年に現在の総檜造りの店を建て、皇族の方々をお迎えするほか、要人のおもてなしにも利用されています。
中谷泰社長と女将の美佐子さんが『天神鱧』について教えてくださいました。
『天神鱧』の鱧しゃぶは熱を通すと身がしまり、野菜を包み込むのが特長で、そのために3枚におろさずに鱧を捌きます。
これが「骨切り」。皮を1枚残していく強さで、なおかつ間隔を等しく切っていくという高度な技術を必要とするものです。
ハモの骨は多いだけではなく、複雑な形をしているため、正しい場所に刃を入れて、骨の先端を的確に出す技術が必要だそうです。
新鮮なハモは熱が通った瞬間に皮が縮んで身がしまり、ぎゅっと詰まったうま味を堪能することが出来ます。
「産地ならではの鮮度」と「職人の技術」が組み合わさった料理。
それが、『天神鱧』でしか味わえない絶品の「鱧しゃぶ」です!
その歯ごたえと爽やかな味を、是非ご堪能いただきたいです。
そして身の縮まりを利用してお米を包み込む形のお寿司も。
骨を感じない。肉厚で美味しい『天神鱧』の濃厚なうま味を一度ご賞味ください。
きっと一度では終われませんよ。
『天神鱧』を提供する「はも塾」の加盟店は防府市内に現在10店舗。
さあ、さっぱりとした絶品ハモでこの暑い夏を乗り切りましょう!