豆腐屋なのに、そばが旨い。二つの顔を持つ週末限定の隠れ家 下関市「つばきりんたろう」
- グルメ
下関市豊浦町に、平日と週末で表情を変えるお店があると聞いて足を運びました。店名は「つばきりんたろう」。
平日は「豆ふ屋りんたろう」として地元に根差した豆腐屋を営みながら、金・土・日・月の週末限定で「つばきりんたろう」として手打ちそばの店に姿を変える、二つの顔を持つお店です。

コンセプトは「美味しいは幸せ」。シンプルな言葉ですが、実際に訪れてみると、この言葉の意味が深く腑に落ちるお店でした。

店内に入ると、まず空気感が違います。ジャズが静かに流れる落ち着いた空間に、中庭の緑が見える和モダンなインテリア。個室や座敷もあり、「大人の隠れ家」という言葉がぴったりの佇まいです。着席するとまず出されるのが、甘酒の豆乳割り。豆腐屋ならではの遊び心が感じられる、嬉しいウェルカムドリンクでした。
九割そばが香る、上品な一杯

- つばき御膳 2,750円
メニューは、もりそば・京揚げ・温泉とうふ・生ゆば・こんにゃく・大豆・とうふが一度に楽しめる「つばき御膳」一択。なぜなら、他のメニューはこのメニューから何かを省いたというメニュー。だからこそ、お店の全てを余すことなく堪能するなら、自然とこのメニューを選ぶこととなる。

まずいただいたのは、九割の配合で打たれた本格派のもりそば。細く整えられた麺は見るからに上品な佇まいで、蕎麦の産地も季節や入荷状況によってその時々の一番いいものを仕入れるというこだわりようです。

口に入れた瞬間、蕎麦の香りがふわっと広がります。コシもしっかりあって喉越しも良く、九割そばとは思えないほどすっと食べられる、上品な一杯でした。つゆも出汁がしっかり効いていて、蕎麦の甘みを引き立てる絶妙なバランスに仕上げられています。
京揚げとそばの交互食べが生む、想定外の美味しさ

- 京揚げ
続いて登場したのが京揚げ。羽釜のとうふに国産大豆、本にがりを合わせ、手揚げで仕上げたシンプルな一品ですが、その厚みときつね色の焼き色から、香ばしさがすでに伝わってきます。
表面はパリッとしていて、噛んだ瞬間にじゅわっと旨みのある脂があふれ出す仕上がり。素材の良さがダイレクトに伝わる、豆腐屋にしか作れない逸品です。

このお店の真骨頂は、ここから。お店の方に教えてもらったのが、京揚げとそばを交互に食べるという味わい方です。京揚げの香ばしい脂が口に残った状態でそばをすすると、また違う美味しさが生まれてきます。天ぷらそばを定番とするお店は多いですが、油揚げとそばのこの組み合わせは、それに勝るとも劣らない一手でした。
温泉とうふをはじめ、豆腐尽くしの品々

- 温泉とうふ
続いては、国産大豆と海洋深層水から作った天然にがりで仕上げた温泉とうふ。炭酸泉でじっくり温めて提供される一品で、見るからにとろとろと柔らかそうな佇まいです。

口に入れると、とろけるような食感の中に大豆の味が濃厚に広がります。クリーミーでありながら大豆の旨みがしっかり主張してくる、豆腐屋ならではの味わいでした。
御膳にはこのほかにも、生ゆば・こんにゃく・大豆・とうふと、豆腐尽くしの品々が続きます。生ゆばはとろっとした食感に大豆の甘みがじんわり広がり、こんにゃくや大豆も素材の良さがそのまま伝わってくる仕上がり。シンプルだからこそ誤魔化しが利かない一品ばかりで、本職の豆腐屋だからこその底力を感じました。
特別感のある、週末だけの贅沢

そばも豆腐料理も、そして雰囲気も、どれをとっても妥協のない「つばきりんたろう」。「美味しいは幸せ」というコンセプトの通り、食べ終えたあとにじんわりと幸せな気持ちになれる、そんな一軒です。
営業は金・土・日・月のみ、しかも数量限定で売り切れ次第終了。行ける機会は限られていますが、それだけに特別感のあるお店だと思います。
気になる方は、営業日や在庫状況を事前に確認してから足を運んでみてはいかがでしょうか。





