10年愛せる家具や食器で豊かな暮らしを 山口市「trove」
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県立萩美術館・浦上記念館で絶賛開催中の企画展「フィンランド・グラスアート:輝きと彩りのモダンデザイン」。
機能性と美しさを兼ね備えた北欧のガラスプロダクトをたっぷり感じられる展示となっています。
※詳しくはこちらの記事をチェック!
今回は、この展示会を見た人、そしてこれから見に行く人にもおすすめ!
北欧の家具やヴィンテージ食器などを実際に触れて存分に楽しめるお店を紹介します。
セレクトが光る家具・雑貨屋
山口市の維新公園から矢原駅へと伸びる道路沿い、吉敷川沿いにあるのが「trove(トローヴ)」です。
洋菓子の「モントロー」と美容院が入る建物の1階にあります。
お店の前には、3店舗のお客が共通で利用できる駐車スペースが10台分ほどありますので車での来店も問題なし。
お店の扉を開くと、目に飛び込んでくるのは、雰囲気のある家具、そして壁際やテーブルにずらりと並べられた食器たち。
どこから見てみるか目が迷ってしまうほどです。
お店に並ぶすべてのアイテムをセレクト・輸入しているのが、オーナーの清水大輔さん。
セントジェームスのボーダーシャツをさらりと着こなし、笑顔で迎えてくれました。
一期一会のヴィンテージアイテムがずらり
それではさっそく食器・カトラリーから見ていきましょう。
1970年代ごろの北欧を中心としたアンティークなものから現行品までセンスよく配置されています。
いくつか紹介します。
デンマーク・BRポタリー製のコーヒーカップ&ソーサやティーカップ。
茶色にホワイトのラインが印象的な「アマゾナス」シリーズで、2000年ごろまでには生産が終了しているそう。
- デンマーク BR カップ&ソーサ 4,400円
- デンマーク BR ティーカップ&ソーサ 6,600円
フィンランド・アラビア製の耐熱性のある磁器「ルスカ」シリーズ。少し土を感じる表面の質感が盛り付ける料理のインスピレーションを高めてくれそうです。
- フィンランド アラビア RUSKAシリーズ各種 3,300円~
スウェーデン・グスタフスベリ製のカップ&ソーサ「サリックス」。柳の葉の模様がとても上品な印象です。
- スウェーデン グスタフスベリ Salix カップ&ソーサ 11,000円
フィンランド・アラビア社が、フィンランドの神話「カレワラ」をモチーフに1976年~1999年まで毎年1枚制作していた「イヤープレート」もずらり。
- フィンランド アラビア 「カレワラ」イヤープレート 1枚9,900円
などなど、紹介し尽くせないほどたくさんの種類のアイテムを取り揃えています。
それだけではないですよ。
食器を品定めしている目線をふと上げるとそこには天井から吊るされた照明が。実はこれも商品なんです。
デンマーク・ルイスポールセン製の名作照明「PH5」は現在流通しているものとは少し作りが異なるヴィンテージもので、現行品よりも手頃な価格となっています。
- デンマーク ルイスポールセン PH5 88,000円
また、家具も取り扱っていて、こちらはフリッツ・ハンセン製の名作椅子「セブンチェア」。
- デンマーク フリッツ・ハンセン セブンチェア 88,000円
こちらも現行品とは違う製造初期のヴィンテージの椅子です。
取り扱う商品はヴィンテージという特性上「一点物」も多く、あ、これいいな、と思って次来店した時には売れてしまっているかもしれない、まさに”一期一会”を楽しめる店と言えそうです。
「フィンランド・グラスアート」を感じるアイテムも
冒頭でもご紹介した萩美術館・浦上記念館で開催中の「フィンランド・グラスアート:輝きと彩りのモダンデザイン」。
実は会場で展示されている作品のいくつかや、展示されているデザイナー・作家が手掛けた商品も「trove」で販売されているんです。
例えばこちらのフラワーベースは、フィンランドのデザイナー、アルヴァ・アアルトが1936年に発表し話題を呼んだ、イッタラ製の「アアルト・ベース」。
- フィンランド イッタラ アアルト・ベース(ウルトラマリンブルー) 50,000円
「フィンランド・グラスアート」展でも飾ってありますが、「trove」では現在は廃盤となっている「ウルトラマリンブルー」という深い青色のものを取り扱っています。
陽のあたる場所に置くと複雑な形状が美しいグラデーションを描き、何も入れずにこのまま置いてもインテリアとしてサマになります。
清水さんによると「庭に咲いている草花をさっと活けても画になりますよ」とのこと。
続いては、フィンランドのデザイナー、ティモ・サルパネヴァが手掛けた、流れるような曲線が印象的な「蘭」。
こちらの写真は企画展での実際の展示の様子ですが・・・
この一輪挿しも同じデザインのものが店頭にあり、実際に手に持ってみることも可能です。
- フィンランド イッタラ ティモ・サルパネヴァ「Orkidea(蘭)」 33,000円
そして、企画展の中でも大きくスペースを割かれて紹介されていた、オイヴァ・トイッカ。
彼の名を一躍有名にした「トイッカ・バード」と呼ばれる鳥をかたどったガラスの置物もありました!
- フィンランド ヌータヤルヴィ オイヴァ・トイッカ バード 99,000円
一般に流通しているものはイッタラ社製の商品ですが、清水さんが探し出したのは、70年代に所属していた「ヌータヤルヴィ」というガラス工房時代のもの。
光に透かすと、内側から美しい赤い色が浮かび上がってきて、天気の良い日などは時間を忘れてずっと見ていられます。
この店に足を運ぶと、”グラスアート”という「作品」としてだけでなく、実用的な「商品」としての魅力も実感することができますね。
リサ・ラーソン 充実のラインナップ
お店に入ってすぐ左の棚にずらりと並んでいるのが、スウェーデン生まれの陶芸家、リサ・ラーソンの作品たち。
愛らしい表情の動物たちの作品が日本でも根強い人気を誇っていますが、「trove」では初期の作品から珍しい陶板まで充実のラインナップです。
- スウェーデン リサ・ラーソン STORA ZOO シロクマ 88,000円
そしてリサ・ラーソン作品の中でも最も有名といえる「ライオン」も。
- スウェーデン リサ・ラーソン AFRIKA ライオン(Mサイズ) 55,000円
インテリアショップ等では復刻版が並んでいますが、「trove」にあるのは、かつて在籍していた陶磁器メーカーのグスタフスベリ社時代のヴィンテージもの。
少しとぼけたような、でも愛嬌のある顔つきがずっと愛でていたくなるような魅力があります。
そして、先ほどの写真の「ライオン」はMサイズですが、なかなかお目にかかれない「マキシサイズ」という特大の「ライオン」もお店にデン!と置かれています。
- スウェーデン リサ・ラーソン AFRIKA ライオン(マキシサイズ(写真右)) 396,000円
Mサイズと比べてみるとこの違い。
お値段もMサイズに比べ「マキシ」ですが、こんなサイズのものがインテリアに置かれていたら素敵ですよね。
お店には、こういったリサ・ラーソンなどの珍しいアイテムを求めて県外からやってくる愛好家もいるそうですよ。
「10年先も愛せるものを」
清水さんは光市出身。「trove」のルーツは会社員時代に通っていたという地元のイタリアン料理のお店にあるのだとか。
そこのお店の料理だけでなく、居心地の良さを演出する食器や調度品に魅せられ、いつしかそのようなアイテムを取り扱うショップのオープンを志すようになったそうです。
そして、会社員をやめ、2007年に山口市内で「trove」をオープン。2013年に今の場所に移転し、今年で10年を迎えました。
開店時から変わらぬ、セレクトの際のポリシーは「10年後も同じように愛せるもの」。
流行りに左右されず、毎日「良い」と思い続けられるものだけをチョイスしているそうです。
そして、買った作品をただ飾っておくだけでなく、気に入ったものを毎日使うことで、日々の暮らしが豊かになってほしい、と話します。
実際にお店で取り扱う食器などは清水さん自身も所有していて、趣味の料理をそれにふさわしいお皿に盛り付けたりして愛用しているのだそうです。
北欧だけじゃないアイテムやイベントも
お店には北欧に限らず、清水さんのセンスが光るアイテムも並んでいます。
県内では「trove」だけが取り扱っている、器作家でデザイナーのイイホシユミコさんの食器や、
「ムーンスター」のクラシックなスニーカーまで、産地・ジャンルを問わず「良いもの」を揃えています。
清水さんとゆっくり話しながら、お気に入りの1点を見つけてみてはいかがですか?
そして最後に。筆者が驚いたのが、入口すぐのところのテーブルに無造作に置かれていたこちらの鉢。
- オーストリア ルーシー・リー 鉢 ???円
オーストリアの陶芸家、ルーシー・リーの作品で、普通に手に持ってみることができるので、筆者も普通に手に持って清水さんと話をしていたのですが、値段を聞いて、すぐに、そっと、慎重に、テーブルに戻しました。
お値段は…是非お店に足を運んで清水さんに尋ねてみてください。
troveでは入荷した商品の情報やイベント情報などをInstagramで発信していますので、是非チェックしてみてください。
※取り扱う商品・在庫・値段は2023年10月18日に取材した時点のものです。