メルボルン式のコーヒー&こだわりビールをスタンドで 山口市「hangout」
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JR山口駅の出口から商店街に向けてまっすぐ伸びる駅通り。
秋には黄色く染まる銀杏並木が美しいこの通りには個性的なお店が多く軒を連ねていますが、今回は、そこで様々な世代の人に愛されているコーヒー&ビールのスタンドを紹介します。
センスあふれるスタンド
山口駅から徒歩5分、アーケード商店街と駅通りの交差点側からはわずか徒歩1分のところにある「hangout」。黒の外壁と全面を覆う開放的な窓がシックで洗練された印象を醸しています。
一歩中に入るとすぐそこにはカウンターが。
エスプレッソマシーンやコーヒーグラインダーが置かれ、そこで作業をする店長・末永 恭大さんの姿が目に入ります。
カウンターの横にはベンチと椅子、窓際には2人が座れるテーブルがあり、窓越しに通りを眺めることができます。
末永さんは山口市出身で現在27歳。もともとこの場所には立ち飲み屋がありましたが、2019年、大学4年の頃に縁あって先代から店を譲り受けることになり「hangout」の店長に。
大学時代オーストラリアのカフェでバリスタをしていた経験から、エスプレッソマシンを導入し、現在の「コーヒー&ビール」を提供するスタイルになったそうです。
メルボルンスタイルを満喫
コーヒーはオーストラリアの経験を活かしたメルボルンのスタイルを採用。
メルボルンは「コーヒーの街」とも言われるほどコーヒー文化が盛んな都市ですが、でもどういった特徴があるのでしょうか?
末永さんに伺うと、「エスプレッソをメインに、泡やミルクの量をお客の好みに合わせて加えて提供する」のがメルボルンのスタイルなんだそう。
日本でもエスプレッソにスチームミルクを入れた「カフェラテ」がおなじみですが、そこをベースに泡の量やミルクの量を細かく増やしたり少なくしたりしていくことで、少しずつ味わいや口当たりが変わってくる、ということです。
聞くよりも味わってみて感じてみたい!ということで、オーストラリアでは定番となっている「フラットホワイト」を作っていただきました。
「hangout」のエスプレッソで使う豆は、市内のスペシャリティコーヒーショップ「Saï Coffee Roastery」に焙煎してもらったものを使用しています。
マシンで抽出したエスプレッソにスチームミルクを加えるという工程自体は「ラテ」と同じなのですが、「フラットホワイト」の場合は「ラテ」に比べて表面の泡(フォーム)を少なくしているのが最大の特徴です。
できあがったのがこちら。
- フラットホワイト 580円
一見すると「ラテ」との見分けはできませんが、口にするとその違いをはっきりと感じるとることができます。先述の通り泡の層が薄くなっているためにすぐにエスプレッソのビターな味を感じることができますが、かといって「苦い」わけでもなく、「濃厚なラテ」といった味わい。甘みと苦みの両方をバランスよく楽しむことができ、さまざまなシーン、さまざまな食べものとの相性もよさそうです!
また、この「フラットホワイト」のミルクの量を少し減らしたものが「マジック」で、こちらもオーストラリアでは定番のコーヒーなのだそう。お店では、これらのメニューからさらにミルクの種類や量を細かくカスタマイズできるようになっていますので、自分だけの1杯を見つけてみてくださいね。
そしてもう1品。トニックウォーターを入れたグラスにエスプレッソを加えて作る「エスプレッソトニック」です。
オーストラリアでは夏のドリンクとして定着しているのだそう。段々とエスプレッソが沈んでいきトニックと混ざっていくのを見るのも面白い1杯です。
- エスプレッソトニック 600円
こちらはエスプレッソの香りと苦みに炭酸の爽やかさと柑橘系の後味がマッチし、さっぱりと飲むことができます。夏の暑い時などにゴクゴクと飲むのもいいですね。
丁寧に注がれるビール
続いてはビールも紹介します。
常時3~4種類のビールを取り扱っていて、国内のクラフトビールを多く取り扱っています。
樽のビールが無くなったらまた別の種類のビールを頼むこともあるそうで、その時取り扱っているのはお店の中に立てかけられている黒板をチェックしてみてくださいね。
クラフト系はラガーに黒ビール、ペールエールと種類も豊富。
フードメニューも簡単なおつまみを中心に用意されていますので仕事帰りなどにさくっと寄ってカウンターで軽く飲んで帰るのもいいですし、飲み会の2次会として利用するのもよさそうですね。
ビールの中でも末永さんがこだわっているのが「1杯目におすすめ」だという「ハートランドビール」です。水のようにゴクゴクと飲めるピルスナータイプのビールで、毎日サーバーの洗浄を欠かさず行っていて、他では味わえない雑味のない1杯を目指しているそう。
- ハートランドビール(中) 700円
確かにクリーミーな泡とクセのないすっきりした味わいですので、誰かと過ごすときにもおいしくゆっくりと楽しめそうですね。
また、ビールだけでなくワインや日本酒なども取り扱っているそうですので、詳しくは末永さんに問い合わせてみてください。
2階スペースではイベントも
お店には2階のスペースもあります。
こちらはゆったりとしたスペースにテーブル2席とソファ、そして壁際のカウンター席があります。1階とはまた趣のちがうスペースになっていますので、誰かの目を気にせずに過ごしたり、コーヒーやビールを飲みながら本を読みたい、という気分の時にはこちらを利用するのがおすすめです。
また、県内の作家やお店とコラボしたイベントをこちらのスペースを利用して定期的に開催していますので、Instagramで情報をチェックしてみてください。
「hangout」とは「たまり場」や「行きつけの場所」といった意味の言葉です。
取材している時にもなじみの客が何人もふらりと訪れ、コーヒーやお酒を片手に楽しい時間を過ごしていました。
お店は昼から夜まで営業していますので、仲間とワイワイ楽しみたい時やひとりでふらっと立ち寄りたい時など、みなさまのご都合に合わせて居心地の良い空間で居心地の良いひとときを過ごしてみてはいかがですか?